東京地方裁判所 昭和44年(秩ろ)91号 決定 1969年11月05日
弁護士 水上学
主文
本人を過料三万円に処する。
理由
本人は昭和四四年一一月五日東京地方裁判所刑事七〇二号法廷において、被告人○○○○ほか八名に対する兇器準備集合等被告事件の弁護人として出頭したが、午前一〇時五分の開廷の冒頭から相弁護人山根二郎が「この分割公判は違法である。これは裁判に値しない」などと発言し、裁判長が再三、再四にわたる発言禁止命令、着席命令をなしたのにこれに従わず、立ち上ったまま、しつように発言を続けた際、主任弁護人である本人は山根弁護人と同調し、他弁護人と共に総立ちになって、裁判長のなした発言禁止命令、着席命令に従わないで発言を続け、裁判長の訴訟指揮に反抗する気勢を示し、もって裁判所の職務の執行を妨害し、かつ裁判の威信を著しく害したものである。(法廷等秩序維持に関する法律二条一項)
(裁判長裁判官 岡垣勲 裁判官 渡辺達夫 須田賢)